前回の記事 : 極東ロシア旅行記 - 3 ハバロフスク-アムール川遊覧
こちらはガイドさんが個人的に気に入っているという木造建築。
資産家が個人的に所有している物件で、カフェとかにしたいのに政府から許可が出ないので何もできないという現状らしい。
誰かに貸そうと思っても許可が出ず、 2-3年そのままだとか。ロシアでは政府を相手取った建築系の裁判が多いと言っていた。
ハバロフスク市街南の少し外れにある丘の上には、二次大戦における実に2万人近い兵士と将校の名が壁に刻まれた栄光広場がある。
5/9 勝利の日には、この壁に囲まれた永遠の炎に花輪を供える。
ウラジオストク潜水艦博物館でも見た永遠の炎、ロシア各地に設置されているようだ。
ロシアの戦勝記念日はナチス・ドイツが降伏文書に調印した5/9だが、これはモスクワ時間を採用しているためで、中央ヨーロッパでは23:43だったため5/8がVictory in Europe Day, VE-Day - ヨーロッパ戦勝記念日となっている。
余談ながらこの日はドイツでは敗戦ではなくナチス・ドイツから解放された日との位置づけで、この日から新たな歴史が始まったStunde null - 零時などと表現されている。
その栄光広場にそびえるのがスパソ・プレオブランジェスキー教会。ロシアでは3番目に大きい正教会で、極東ロシアでは最大のもの。後背からはアムール川を見ることができる。
一見歴史ある教会なのかと錯覚するが、2003年に作られたまだまだ新しい教会。
内部は撮影不可だったが、祭壇にイコンが立ち並ぶスタンダードなロシア正教会といった感じ。
ロシア正教会の聖堂には基本的に椅子がないのだが、礼拝中貧血とかにならないのだろうか。
また西方教会と違って祈りに伴奏もないのでパイプオルガンなどの楽器もない。
いわゆる西方教会の大聖堂の豪奢な感じと比較すると、東方教会の聖堂はこぢんまりしていて落ち着きがある。
10年前にできたという聖職者大学校。ここができるまでは、聖職者はみな中央ロシアから送られてきていたらしい。
いろいろと矢継ぎ早に見て回ったがガイドさんとはここでお別れ。
腹ごしらえをしてからは1人で中心地を見て回ることに。
🍴ウクライナ料理 ресторан Кабачок - レストラン カバチョク
Ulitsa Zaparina, 84, Khabarovsk, Khabarovsk Krai, 680000
Селёдка - セリョートカ(ニシンの酢漬け)
борщ - ボルシチ
пельмени - ペリメニ(ロシア風水餃子)
と、定番の好きなもの尽くし!
ここのボルシチはニンニクが効いていてとても美味しかった。ペリメニはたっぷりのひき肉が敷かれており初めて見るタイプ。
赤い飲み物は市場で見たбрусника - つるこけもものジュースбрусничный морс
アムール川からも見えたハバロフスク を象徴するようなウスペンスキー教会。
ウスペンスキーとは固有の名称ではなく、生神女就寝大聖堂のことを指すらしい。
目抜き通りであるムラヴィヨフ・アムールスキー通りはこの教会広場が終端となる。
ウスペンスキー教会のすぐ近くにある赤軍博物館、これまた戦車が野ざらしにされている。窓の意匠がかわいらしい。
受付に行くと入れてくれない雰囲気で、英語もドイツ語も全く通じないし初学者のロシア語では何も伝わらないのでGoogle翻訳に打ち込んでもらったら「Только коллективное посещение - 集合訪問のみ」とのことだった。 残念。
しかしGoogle翻訳は役に立つ。
今回初めてのロシアで言語に不安があると言っていたら、喋りかけるタイプの翻訳機が結構実用的だという話を複数人から聞いた。未来に生きているな…と思ってしまう。
こちらは夜のПлощадь Ленина - レーニン広場。ロシアの広場の中ではモスクワの赤の広場の次に大きいらしい。
噴水の色合いはなんだか俗っぽい。
夜は夜でテーマパーク感が更に増すウスペンスキー教会。
ただ街灯が切れているところが多く、ちょっとうらぶれた雰囲気ではある。
街は全体的に汚くはないのだが、街灯が切れていたりこう床が抜けていたりして、どうも行き届いていないという印象が。
もう少し整備されると寂しい雰囲気ではなくなるとは思うのだが、この寂しい感じが極東ロシアという感もあり…。
アムール川も灯りに照らされ幻想的な雰囲気に。
Ussuriysky Blvd, 9, Khabarovsk 680000, Russia
夜も夜でまた大好きなペリメニを。ペリメニに似たヴァレーニキは中身がひき肉ではなくジャガイモ。
タルタルステーキがあったので食べてみたら、肉がなんだかさらっとしていて不思議な味。臭みは全くなく酸味のあるロシアらしい味でとても美味しかった。
ここのペリメニはわさびのような風味のサワークリームでこれまた初めて食べる味ながら美味しかった。
帰り際スーパーに寄ったら、夜間は酒類を販売していないようだった。
ロシア人は常にウォッカを懐に忍ばせているイメージがあるが、昨今はこうした政策によって若者の酒離れが進んでいるらしい。
治安回復にも効果がありそう。
そんなこんなで不安な気持ちで向かった極東ロシア旅行ではあったけれど、怖い思いをすることもなく無事帰ってくることができました。
限られた時間でせわしなくいろいろと見たので、もうすこし余裕があったら良かったなという気も無きにしもあらず。
ロシアという雄大な国への興味も深まり充実した旅だった。また他の都市にも行ってみたいのでロシア語をきちんと習得したいとは思うのだが、結局進歩のない日々を送っている。