ウラジオストクからハバロフスクへの移動は念願のシベリア鉄道で。
夜間の移動なので景色はあまり見れないけれど、寝台列車はなんだか妙にわくわくする。
ウラジオストクからモスクワまでを繋ぐシベリア鉄道は実に全長9,297km、世界一の長さを誇る鉄道である。横断するには丸一週間ほどかかるらしい。
駅構内も古典的なロシア様式に則った可愛らしい雰囲気。
入り口では空港のように荷物検査があるが、鉄道利用者でなくとも入場可能。
展示物もあるので観光名所となっているようだ。
電光掲示板はロシア語表記のみ。
ハバロフスク…Хабаровскね!と、キリル文字を習得しておいたことが役に立つ。
几帳面と言われるドイツ人が誇るドイツ鉄道ではしれっと出発ホームを予告なしに変更したりすることがままあるので、乗車するまではずっと緊張していた。
キリル文字が読めればНиколай Александрович Романовがニコライ・ アレクサンドロヴィチ・ロマノフだということもわかる!Цесаревичはロシア皇太子を差すようだ。
Океанは大洋の意。Oceanから類推できる単語である。
各号車の入り口で検札をしているので、チケットを見せて乗車。
客室は2名利用の1等客室と4名利用の2等客室の2種類。知らない人と同室になるのは怖いので、1等客室を1室借り切りで利用した。
1人利用ではあるが豪勢に2人分アメニティが用意されている。
入室すると車掌さんが翌日の朝食を聞きに来るのだが、これもどうやら2人分注文することができたような雰囲気…いやはやしかし、欲張らない…。
右の扉を開けると洗面所とトイレ、そしてなんとシャワーまでついている。
水圧は多少頼りないとは言え温度は一定に保たれ十分に使えるもので、期待していなかっただけに嬉しかった。
設備も清潔で申し分ない。
発車するとお土産を売りにきたので、まんまとこのUSBメモリを購入した。かわいい。
ソファを倒すとベットが現れる。
横幅も広く快適。2人利用の場合は上のベッドを引き出して2段ベットのようになるようだ。
そしてベット脇の棚に積まれる謎のдиск = Disk
何枚もあってナンバリングされていたが番号は飛び飛び…何が収録されているのかは全然わからない。聴いてみるべきだったか。
外は真っ暗で何も見えず終着駅までとは言え寝過ごすのが不安だったので早めに消灯。
翌朝緊張感からか早めに目が覚めぼんやりしていると扉がノックされ朝食が運ばれてきた。
ご存知икра イクラにблины ブリヌイ(blini)である。おやつ気分で美味しい。
沿海地方なだけあってか魚はどこで食べてもおいしかった。
車内は結構揺れるので写真を撮るのはかなり困難で早々に諦めてしまった。
延々と薄茶色く荒れた草地が続く。
そうこうしているうちにアナウンスもなく物静かにハバロフスクに到着。
およそ12時間ほどの乗車だったがあっという間だった。寝台列車での移動は、移動時間を経験に変えるという点で有用に思う。
ハバロフスクでの滞在記はまた次の記事で。